変わらずに生き残るためには、変わらなければならない。

You must change to remain the same. ”

小沢一郎氏が民主党代表選出馬演説で、ルキノ・ヴィスコンティ監督の名画「山猫」に出てくるイタリア老貴族の言葉を引用したことで有名になりました

社会が保つ慣習、良き伝統を守るためにも弛まぬ変革の努力が必要だという趣旨は、逆説的で私も共感するのですが、この言葉の本来の意味について多少コメントしてみます。

ある新聞が紹介した英訳?、冒頭の You must change to remain the same. ”が流布しているようですが、原作の小説『山猫』(The Leopard)では、”If we want things to stay as they are, things will have to change.”となっているようで、変わるのが人間なのか物事なのか、両者には主客の違いがあります。

どうも「自己」変革を勧めるものではなさそうで、この点を指摘する方もおられます。ただし、政治家の言葉としては、小沢氏が変革のリーダーとして自らを印象付けることに成功した、巧みな引用だったと言えましょう。


快走支えた三つの「あ」

焦(あせ)らない。諦(あきら)めない。侮(あなど)らない  。

先日の都道府県対抗男子駅伝で優勝した埼玉県の第四走者小山君(埼玉県立松山高校三年生)が高校で進路指導などを受ける際に教えられた言葉だそうです。朝日新聞一月十九日スポーツ面より。

「モノのネット化」の光と影

家電や自動車を始めあらゆるモノがインターネットにつながる IoT(Internet of Things)の時代。

これはわれわれに光をもたらすとともに、セキュリティ等のリスクの問題が影として現れるとも言われます。
例えば、自動運転車がサイバー攻撃され、障害物を感知して衝突回避する自動制御システムが妨害されることなど。2014年8月4日米国での国際会議でその実験が行われ、車が段ボール箱に突っ込む映像が流れたというニュースは日経新聞でも報じられました。
《そしてこの影こそが、われわれに根源的な問いを突き付ける。それは「人間は何のためにモノをネット化し、ネット化されたモノをどのように人間にとって有用なものに育てるのか」という問いだ。》(小川和也著『デジタルは人間を奪うのか』86頁から引用)。デジタルマーケティングを専門とする同氏ならではの、ユーザーの視点を踏まえた指摘は、人間とデジタルを考える上で決して忘れてはならないものと思われます

日本のICカードはガラパゴス化?

『IDの秘密』(国立情報学研究所教授佐藤一郎氏の良著)にある上記の小見出しに驚く。同氏の丁寧で正確な記述に沿って言えば、非接触ICカードの国際規格(ISO/IEC14443)は、タイプAがフィリップ、タイプBがモトローラの開発。ソニーが開発したFeliCaは、JR東のSuicaにも使われ日本のデファクトスタンダードだが、国際規格ではないそうだ。日本でもタバコ販売機のTASPO住民基本台帳カードそれぞれタイプAとBが採用されている。行政系という性格上、WTOの求めで国際標準に準拠するようにFeliCaが選考から外されたと言われています、と佐藤教授は記している(同書165頁)。ガラパゴス化という表現の当否は専門家でない私にはわかりませんが、気がかりなことです。



クラウドって何

集約と分散をペアリングしたビジネスモデル。『クラウドの未来』第一章(小池良次著講談社現代新書、必読!)が解りやすい。要約すると‥‥コンテンツやアプリケーションはデータセンターに集約される一方、それを利用する端末はパソコンだけでなく家電や自動車など機器を問わず、又モバイル時代で場所を問わない分散へと向かう。この超集約と超分散をブロードバンド・ネットワークを通じてペアリングするビジネスモデルが、クラウドの本質、だそうだ。

自動車の未来

「技術だけに注目していては、自動運転がわれわれの社会をいかに変えるのかを理解しているとは言えない。‥‥この車は単なる移動手段としての役割を超越しており、究極的には『動く居住空間』となるだろう」(独ダイムラー社新型車発表時のツェッチェCEO発言 20150105ロイター報道)