変わらずに生き残るためには、変わらなければならない。
”You must change to remain the same. ”
小沢一郎氏が民主党代表選出馬演説で、ルキノ・ヴィスコンティ監督の名画「山猫」に出てくるイタリア老貴族の言葉を引用したことで有名になりました。
社会が保つ慣習、良き伝統を守るためにも弛まぬ変革の努力が必要だという趣旨は、逆説的で私も共感するのですが、この言葉の本来の意味について多少コメントしてみます。
ある新聞が紹介した英訳?、冒頭の ”You must change to remain the same. ”が流布しているようですが、原作の小説『山猫』(The Leopard)では、”If we want things to stay as they are, things will have to change.”となっているようで、変わるのが人間なのか物事なのか、両者には主客の違いがあります。
どうも「自己」変革を勧めるものではなさそうで、この点を指摘する方もおられます。ただし、政治家の言葉としては、小沢氏が変革のリーダーとして自らを印象付けることに成功した、巧みな引用だったと言えましょう。
「モノのネット化」の光と影
家電や自動車を始めあらゆるモノがインターネットにつながる IoT(Internet of Things)の時代。
日本のICカードはガラパゴス化?
『IDの秘密』(国立情報学研究所教授佐藤一郎氏の良著)にある上記の小見出しに驚く。同氏の丁寧で正確な記述に沿って言えば、非接触ICカードの国際規格(ISO/IEC14443)は、タイプAがフィリップ、タイプBがモトローラの開発。ソニーが開発したFeliCaは、JR東のSuicaにも使われ日本のデファクトスタンダードだが、国際規格ではないそうだ。日本でもタバコ販売機のTASPOや住民基本台帳カードでそれぞれタイプAとBが採用されている。行政系という性格上、WTOの求めで国際標準に準拠するようにFeliCaが選考から外されたと言われています、と佐藤教授は記している(同書165頁)。ガラパゴス化という表現の当否は専門家でない私にはわかりませんが、気がかりなことです。
希望
The twenty-first century will be a magnificent time to be alive. Dare to be an optimst. (Matt Ridley, The Rational Optimist: How Prosperity Evolves, Harper 2010)